Pコートについて
Pコートは、19世紀末からイギリス海軍が艦上用の軍服として着用していたものであり、その他にも漁師たちなどの間でも着用されてきたものです。特にフランスのブルターニュ地方の漁師などは、このPコートをよく着用しているようです。
Pコートはダブル前のコートですが、左右どちらを前にしてもボタンを留めることができるのが大きな特徴となっています。これは、元々Pコートが艦橋や甲板などの厳しい気象条件の下で使用するものであったことから、どこから風が吹いて来ても風がコートの中に入り込まないようにするための対策として考えられたものであるようです。
この他にも、幅広のリーファーカラーや、手を温めるために縦に切り込みを入れたマフ・ポケット、そして碇をあしらったボタンなどが特徴的です。
コートの中ではその丈が短いことからカジュアルなイメージが強く、どんなスタイルにもマッチすることから、幅広い年齢層に愛用されています。右合わせでも左合わせでも、どちらでも着こなせるという利点があることから、男女共用のコートとしても利用されていますが、特に日本では中学生や高校生の制服と共に着られているケースが多いようです。
近年では軍服をモチーフにしたファッションが流行していますが、Pコートはその代表格として日本国内で非常に高い人気を得ているのです。通常のPコートの丈をさらに短くしたものが、一般的に流行しているようです。